日本テレビで放送された番組「5万人に1人の私 トリーチャーコリンズ症候群に生まれて」での山川記代香(やまかわきよか)さんの強く生きる姿は視聴者に衝撃を与えました。
トリーチャーコリンズ症候群の認知度はまだまだ低いようなので少しでも多くの方に知って頂きたいと思います。
今回はトリーチャーコリンズ症候群とは何なのかといったことや、山川記代香さんが出演された番組の内容をご紹介します。
最後に動画がありますので是非ご覧ください。
トリーチャーコリンズ症候群とは?
西洋的な病名のため海外の病気だと思われるかもしれませんが、日本人でも5万人に1人の確率で生まれてくる可能性のある先天性の難病です。
ほお骨やあごの骨がうまく形成されないなど顔に症状が現れる障がいです。
患者の多くは口の中の天上部分が裂ける口蓋(こうがい)裂も併発しています。
あごが小さいため噛み合わせが悪くなったり、呼吸困難に陥ることもあります。
顔の形を整えるために成長に合わせて形成外科手術を受け続けなければなりません。
トリーチャーコリンズ症候群のジュリアナ・ウエットモアちゃん
アメリカ・フロリダに住むのウエットモア夫妻の間に生まれたジュリアナ・ウエットモアちゃんはトリーチャーコリンズ症候群でした。
Juliana Wetmore- Treacher Collins Syndrome
ジュリアナちゃんの場合はトリーチャーコリンズ症候群の中でも極めて特異的な症例で、顔の半分以上の骨が欠損しています。
あご、ほお骨、眼窩(眼球のはいっている穴)が無く、外耳を形づくる突起さえもありません。
しかし、知能の面では全く問題は無く、身振りや手振りで感情を伝えることができます。
見た目以外は普通の女の子なのです。
トリーチャーコリンズ症候群である日本人女性の話
日本テレビで放送された番組「5万人に1人の私 トリーチャーコリンズ症候群に生まれて」をご紹介します。
山川記代香さん(22)はトリーチャーコリンズ症候群として生まれました。
顔の骨が十分に発育しないため、2~20歳の間に16回もの手術を受けています。
生まれながら両方の耳に穴が無いため3歳の頃から胸につけた補聴器で拾った音をカチューシャから振動として伝えています。
記代香さんは今年の4月から愛知県の東海市役所で働いているのですが、電話をする時は受話器を耳に近づけるのではなく、胸の補聴器に押し当てます。
電話対応で苦労するのはそれだけではありません。
あごの骨の影響で大きな声が出しづらく、滑舌が良くないため電話相手から聞き取りづらいと言われることもあります。
しかし、他に障がいはなく、同僚たちと同じ仕事をこなします。
高校の同級生も初めて会ったときは見た目に驚いたそうですが、その後印象は大きく変わったと言います。
「言い方は悪いけど初めは知的な障がいがあるかと思った」そうですが、「普通の女の子で持っているものが可愛かったり、3人の中で誰よりも女の子だっだ」そうです。
そんな記代香さんには悩みがあります。
それは買い物など外に行くときには基本的にマスクをつけなければならないことです。
「ないと不安になるというか落ち着かなくなるので・・・」
風邪でマスクをしたときに周囲の視線が少なくなり、そこから外に出るときはマスクをつけるようになったそうです。
記代香さんは3人兄弟で2番目の子供として生まれました。
兄の雄大さんは1歳年上で、妹の莉穂さんとは5歳差です。
お母さんは生まれてきた我が子の障がいを知った時の心境を聞かれると、当時を思い出し涙を流されます。
普通の子と違うことに気づいたけど聞くのが怖かったそうです。
そして、娘の症状を知ったお母さんは強く決意します。
「絶対育てる なんとしても」
小学校に進学して家族以外の人に触れる機会が多くなると記代香さんに悩みが出てきます。
顔を見られないよう下を向くことが多くなったそうです。
マスクを外して歩けるのは実家の近所だけ。
しかし、高校生だった5年前に人生の転機となる出来事が起こりました。
通学路で同じ高校の生徒3~4人くらいのグループから「怖い」と笑いながら言われます。
「いまさら・・・」という思いがあったそうですがその出来事を担任の先生に打ち明けました。
そして先生がそのことをクラスで話したらクラスの子たちがものすごく怒ったそうです。
「なんで何もしてない記代香ちゃんが言われなければならないんだろう」
「まだそんなこと言う人がいるんだ」
そして、家でお母さんに話すと「自分でみんなに話したら」と提案されます。
その時は人前で話すことも苦手だったという記代香さんは「絶対やらない」と言っていたのですが、戸惑う様子を見てお母さんの口調が次第に強くなります。
「やるしかない」という考えに変わった記代香さんは担任の先生に相談をします。
職員会議の結果、記代香さんのためだけに時間が設けられることになりました。
全校生徒700人の前で1人でステージに登ります。
「3年6組 山川記代香です。私はトリーチャー・コリンズ症候群という5万人に1人という割合の障がいとして生まれてきました。」
続けられる言葉にはみんなが固唾を呑んで聞いたそうです。
「私は今までずっと嫌な思いをしてきました。例えば買い物に行く時、顔のことを言われたり、指をさされ白い目で見られたり、本当に辛かったです。どうして何もしてないのに怖いとか言われないといけないのか?知りたいです。数え切れないほどの手術をして耐えているのに・・・。今 私が一番伝えたい事は人が傷つく言葉をおもしろおかしく平気で言わないでほしいということです。そういう言動は絶対にしないでください。今日この場で自分のことをみなさんに伝えようと思ったのは、この場に立つことで本当に強くなれる、強くなりたいと思ったからです。そして大学でも自分の病気のことを伝えていく勇気を持ちたいと思ったからです。」
お母さんは姿を隠してその姿を見守っていました。
記代香さんは終わってからお母さんに気づいて涙を流したそうです。
2人で抱き合って泣きました。
それから4年、大学を卒業した記代香さんは両親を驚かせます。
知らない街で暮らし、働く・・・親元を離れる決意をしたのです。
高校時代のあの経験が記代香さんを強くしていました。
「親はいつか自分より早く亡くなるので自分の力で生きていきたい」
怖がっていたら何も進めない。
彼女は前向きにそして強く生きています。
NNNドキュメント 「5万人に1人の私~ トリーチャーコリンズ症候群に生まれて~」
「5万人に1人の私 トリーチャーコリンズ症候群に生まれて」を見たネット民の声
障害どうのこうの以前に人間として素敵な人だな。
心の綺麗な人だなってそして彼女に関わる人も同じく
この動画が日本中に広がって皆んなが優しい気持ちで彼女を見守るきっかけになったら嬉しい
強く生きていて凄く感動しました(´;ω;`)
個人的な意見だが「死にたい」とか「自殺したい」とか思ってるやつら、この子を見習え
人によると思うが自分の悩みなんかちっぽけなもんだなってわかってほしい
これさあ、オレらが思ってる以上に本人は相当辛い思いして生きてきてるだろうな。それでもさ、卑屈にならずにあんな綺麗な心持ちでいられることに、魂揺さぶられたよ。 心から尊敬する。
友達ええ人やな
外見で人を判断してない
涙が出たよ 自分の悩みなんかちっぽけに思えた
彼女の心がきれいなのはもちろん、家族や友達など周りの人の心まできれいにしているような気がする
私もきよかさんのように自分を持って強く生きる女性になりたいです!
おわりに
記代香さんが強く生きる姿に感動しました。
自分が同じ立場だったら学校へ行くのも嫌で家に引きこもってしまうと思います。
記代香さんはもちろん、ご両親やお友達もとても良い方ばかりで見ていて心が洗われるような気がしました。
こういったドキュメントを通して少しでも優しい人が増えてくれるといいなと思います。